怖くないよ、大丈夫


「怖くないよ、大丈夫」
 
 
今朝、電車に乗る
 
前に座る男の人の目線が突き刺さった
 
すごく見られている気がする
 
しかもすごい不快な気持ちを感じる
 
怖かった、男の人の顔は見れない、けれどその突き刺さる視線、男性という情報から頭の中に浮かぶ顔
 
ぎょろっとした大きな目
 
きつく結んだ口元
 
広い肩幅を見せつけるように威圧的な姿勢。
 
 
そんな顔が頭の中にはっきり浮かぶ
 
 
手すりをつかむ手が自然と男性から離れるように横に逸れてゆく・・
 
 
だが思った
 
ちらっと相手を見てみよう。
 
 
重苦しい空気が頭の中で回る中、ポッと灯りがついたように思いついた。
 
目線を落とす
 
ほんのわずかの動作、だけどその動作は疲労した僕にはとても勇気のある一歩だった。
 
 
目に映った男性は
 
 
愛嬌の感じる大きな眉毛と、とても優しそうな細い目に、どこか自身なさそうに肩を丸め僕見て・・・
 
いや、見ては居なかった
 
僕を「透かして」後ろの路線図を一生懸命見ているのが、目の動きですぐにわかった
 
山手線目黒、品川わずか数駅の出来事・・
 
 
自分の「思いこみ」と気が付く。
 
思えば昨日は眠れなかった、食事も満足に出来なかった、その事実すら忘れていた。
 
 
僕は自分に言った
 
 
「怖くないよ、大丈夫」
 
 
その時、目黒駅でほぼ満員だった車内が品川をすぎてガラガラに空いていたことに気が付く
 
透いた車内のようにその一言で自分の心が救われた気がした。
 
ひろし
 

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